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2009年5月

1種放射線取扱主任者試験

医療に関わる職業にはいろいろな種類があります。その中のひとつ、「診療放射線技師」は、病院・診療所などの医療機関で、放射線を用いた検査・治療を業務とする、国家資格を必要とする医療職です。

法令で定める放射線を利用する施設では、その安全管理の監督を行う者として、「放射線取扱主任者」の選任が必要です。その資格を持つ放射線取扱主任者免状には、第1種から第3種があり、当院のTA放射線技師(時ど~き、このブログを書く人です)は、この「第1種」資格を持っている。


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TA技師がこの資格を持っていると知った時、私が、私も勉強したら受かるかな~と口走った。

そしたら、TA技師が、「センセイ、受けてみますぅ~???」と笑いながら、1種放射線取扱主任者の資格試験の、前回の試験問題と回答をくれました。

私は循環器内科医で、循環器というのは心臓と血管のことです。心臓の病気を核医学検査で評価することに興味を持ち、心臓核医学を専門に勉強を始めました。途中で、どのぐらい核医学のことがわかるようになったかな?と思って核医学専門医試験を受けたのですが、これが難しかった。放射線科の医師には当然の物理学の知識が私にはない。核医学科の医師には当然の悪性腫瘍の画像を私は見たことない。悪戦苦闘しました。

…てなことを思い出しながら、TA技師がくれた過去問題を見てみたら…

「物理学」「化学」「生物学」「物化生」「法令」「管理測定」…ひええぇ~!むっずかしいぃぃぃ~!! 

しかも合格率20数%ですって。こりゃ私には無理。絶対ムリ。TAさん、勧めてくれてアリガト。お気持ちだけ頂きますです。

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靴の行く末

先週、大丸で不用の靴を1000円のお買い物券と交換でお引取りというキャンペーンをしてました。

私のウチには、以前クリーニング屋さんが週に1-2回来てくれていました。

このクリーニング屋さん、バリ島が大好き。バリ島は、観光地はこの世の天国みたいなところですが、そうじゃないところではまったく昔ながらの生活で、靴を履いてるような子はいないんだそうです。でも生活の欧米化で、ガラスなど割れたら危ないものは増えていく。


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クリーニング屋さんは、お客さんに「どんなボロい靴でも捨てる前にください」と運動靴やサンダルを貰って、自分が年に1-2回バリ島に行く時に段ボールにぎゅー詰めにして持って行き寄付していたのでした。

ところが、ガソリン代の値上げ・自宅で洗える衣類や洗剤の開発・クリーニングのチェーン店の台頭。個人のウチを回るこのクリーニング屋さんのような事業形態では経営困難になったようで、ウチに来てくれなくなってしまった。

私は靴を買うのは大好きで、でも修理したり洗ったりしてもらうのも多いので、なかなか減ることはないんですが、それでも直してまでは履かないものもある。ボロいスニーカーは、いつかあのクリーニング屋さんが来るかと思うと捨て難い…というわけで、靴箱の端に取ってあったのです。それから、リスボンの学会に行ったとき靴擦れになり、デパートで買ったパンプス(日本円にして¥3000。作りが雑でヒールが欠けた)。

大丸が引取って、誰かの、何かのために有効に使ってもらえるなら、捨てるよりは有難い。以前ユニクロもフリースのお引取り、やっていましたね。こういう活動がもっと広がるといいなあ。

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名前も知らない樹ですけど…

昨日は良いお天気だったので、園芸店を見て回りました。

というのは、

玄関前の夏椿の隣が空いてるので低い樹を植えたい→国道36号線沿いの銀行の植え込みの樹がいいな→でも名前がわかんない→もういちど見に行こう!

見に行ったものの、樹の名前がわかんない…誰も見てない(と思う)のでクルマを降りて、ぱっと横を通ってブチっと一枚葉っぱを取ってきた!銀行さん、ゴメンナサイ。

その葉っぱを持って園芸店に行ったら、1軒目は「ナンでしょうね」、2軒目は「ギンフミヅキでは?でも、ウチにはありません」と。

帰ってからネットを見たけど、「ギンフミヅキ」という植物はない。???

この低木の葉っぱ、見た目はツルニチニチソウと同じ。でもツルニチは匍匐性のつる植物だけど、こっちは枝が赤い低木。どうやって調べたらいいんでしょう?

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庭のツルニチニチソウ。今年は元気で、あちこちで濃青色の花を咲かせています。

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インフルエンザのマスク

北海道ではまだ感染者がいないからか、札幌駅辺りでもマスクしている人は少ない。もっともマスクはどこでも売り切れだそうで、すると、皆さん、今のところは使わないで自宅に備蓄してあるのかな?

当法人のNI理事長、今月始めアメリカ出張。ボストンでは誰もマスクしていなかったそうです。帰国後1週間は、毎日保健所から「熱はありませんか、体調はどうですか」と電話で確認。

医療製品の卸の会社にもマスクは在庫少ないまたはないとのこと。

昨日、当院の事務長が確認したら、紐で結ぶのはあると言われた。マスク部分は普通どおりで四隅に綿の紐が出てる古風なの。でも、ゴムのはないって。

こういうときでも、ちょっと手間がかかってめんどくさいとか、みっともないのは残っちゃうんだよね。日本ってぜいたくっていうか…。

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新型インフルエンザ2

新型インフルエンザの感染者って、始めの成田の高校生4人組のころは、実際に少なかったんでしょう。しかし、あの頃潜伏期だった旅行者がいないわけなくて、日本全国に散らばって行きました。

その後あちこちで、今増えている関西以外でも発症したはず。でも、発症といっても、熱がたいしたことなくて病院に行かない程度の新型フルの人もいるはず。全員が全員、38.5℃以上発熱して下痢・嘔吐するんじゃないので、そういう人からも新型フルはじわじわと広がっていく…。

始めは新宿の国立感染症研究所で新型フルかどうかを最終決定していました。今は地域の施設で決定するので感染者がすぐわかるようになり、その数が激増。今や日本は世界の4番目!

こないだ医師会の先生と話していたら、「外来の先生たちが調べるからフル患者が出るんですよ。調べなきゃいないのに」と言ってた。欧米諸国では、検査費用も高価なので、日本のように当たり前にフル検査しない。いいのか悪いのかわかりませんが、日本では、「フル検査するからフル患者がいる」という状態のようです。

今後どうなるか?
フル感染者はまだ増える→とはいえ、夏に向かって徐々に収束→秋以降、再度ウィルス(季節型・新型ともに)活発化→しかし、それまでにかかった人は免疫ができていて、医療機関では「今年はインフルエンザいないなあ」と驚く…って感じ?

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新型インフルエンザ

関西で、渡航歴がなくても新型インフルエンザにかかる人が出現しました。

いくら成田で検疫しても、帰国時に自覚症状がなくてすり抜ける人がいないはずはないし、日本全国でこれだけ人の移動があるんですから、渡航歴なしの新型フルの出現は時間の問題と言われていました。連休の移動のあと、潜伏期間が1~10日間といえばこの週末から症例が増えて当然、とも。

最初のころは病院で「渡航歴がなくて、新型を疑わなくてもいい人を診なかった」という事例も何例か報道され、「これって診療拒否」と非難されていました。そのうち、まず電話連絡してから発熱外来を受診、というのが面倒で、渡航歴を隠して一般診療所を受診する人も出てくるし、なにしろ「新型」ですから、結構てんやわんやですね。

獣医のイトコが、新宿の国立感染症研究所に勤務しているのですが、鳥インフルエンザのほうに危機感を持っていて、今回の新型フルへの対応は、その予行演習だと思っていると言ってました。

感染性は高くても、毒性はあまり高くないというのが、不幸中の幸いと言うところでしょうか。とにかく手洗いとうがいを忘れずに。

感染者は、高校生始め若者に多いということです。私はまったく大丈夫ですわね。おほほ。

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お相撲さん

私は子供の頃、お相撲が大好きでした。小学校から帰るとランドセルを放り出して、夕方のTVにかじりついたものです。ご贔屓は横綱・大鵬。この人は大きくて色白、強くて無表情、「お相撲さん」を絵に描いたような美しい力士でした。

女子医大に勤務していたころ、循環器内科で小さな国際学会を主催しました。最終日に相撲観戦ツアーの企画があり、案内役の一人で私も初めて国技館の中に入り、生の相撲を見ました。当時の糖尿病内科の教授が、誰か相撲の親方の主治医で観戦チケットを手配してくださったのです。

外国人研究者は相撲に大喜び。開始から勝負がつくまでに時間が短く、勝敗がわかりやすいことこの上ない。「あのスモウレスラーは何歳?」と聞かれ、私が「さあ…。30歳ぐらい」と答えたら、外国人はびっくり。皆で「あの超肥満体ではすごい動脈硬化だ」「あまり長生きできない」「全員糖尿病か」「運動量は多いから見た目よりは筋肉質なんだろう」とかなんとか話していました。

私は今も夏場所以外は好きで、TVのお相撲、楽しみにしています。夏場所だけ苦手なのは、スモウレスラーたちががっぷり四つに組み合った時、お互いの耳元で「はぁはぁ…」なんつー声が聞こえて、さぞ暑苦しいだろうな~と想像しちゃうからです。

なんだか最近は、これぞ「大相撲!」っていう取り組みがないと思っていたら、昨日の千代大海はすごかった。今場所は陥落どころか進退がかかっていますからね。ロウソクが消える前の一瞬の輝きか?

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官房副長官、せこい。

本日、出雲の尼子家の家臣で、尼子十勇士に数えられる戦国武将・山中鹿之助の末裔で、名門・鴻池の人物が女性問題で失脚。

鴻池祥肇・官房副長官(68歳)のスキャンダルは、今週発売の週刊誌の報道で明らかになりました。鴻池氏が先月のゴールデンウィークに、既婚女性と熱海旅行へ行ったというもの。

我が日本の官房副長官ときたら、ゴールデンウィークにはとてもお元気でした。旅行も出来ました。ゴルフにも行けました。な・の・に、週刊誌発売日の前日になったら、突然間質性肺炎になってしまいました。心房細動にもなったそうで、突如、都内の病院に入院し、官房副長官を辞任しなくてはならないほど具合が悪くなってしまったわけです。

確かこの人、以前にも、週刊誌に既婚女性との親密な交際をすっぱ抜かれていて、「女性にカードキーを渡して議員宿舎を利用させていた」と書かれていたんでは? なんてお元気な方なんでしょう。

この話で、「いやーね」と眉をひそめたくなるのは、新型インフルエンザの最中に政府の中枢にいる人物が人妻との不倫旅行、ということよりも、東京-熱海間を、国会議員が公務の時に使うJRパスを使ったこと。つまり、タダ乗り。ちょっと~せこいんじゃなぁい~? せこすぎてイヤだわ、こういう男。

山中鹿之助の名せりふは、「我に七難八苦を与え給え」というものでした。子孫の官房副長官も、月に向かってそう言ったことがあったことでしょう。今はそのとおりになっているところなんですね!

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etoffe のバッグ

しばらく前に、友人からエトフのバッグを貰いました。小さいハンドバッグを持ったときや出かけ先でちょっと何かが増える時、おしゃれじゃない紙袋を持つんじゃやだなーというときに活躍。

友人から貰ったのは、本体に持ち手がついたワンセット。


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エトフは札幌では売っていません。先月東京に行った時、見つけました。別売りのビニールバッグとバッグの中に装着するインナーポケット。

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持ち手の金具をジョイントして、出来上がり。

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本体にはマチのないポケットがついているのですが、私はインナーポケットがあるほうが便利だと思う。始めにバッグをプレゼントしてくれた友人にも買おうと思ったんですが、エトフには他にもたくさんの柄があって、友人の持ってるバッグの柄がわからなくなった。友人にはビニールバッグだけしか買ってきませんでした。

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パンダとワニ

リンク: パンダが侵入者を撃退、野良猫をかみ殺す―中国 - 速報:@niftyニュース.

↑こんな記事を見つけました。四川省のパンダ繁殖センターで、パンダが噛み殺したと思しき野良猫の死体が見つかったそうです。パンダはカワイイだけじゃない…って、そりゃそうですよ。熊だもん。目の周りの黒い部分がタレ眼みたいに見えるから、「やっだ~かっわい~♪」と思うんですが、よく見ると本当の目は細くて小さいし、結構目つき、きつい。

う~む、野良猫を噛み殺し、口の周りに血液ダ~ラダラのパンダって、白と黒と赤。すごいかも…。


2-3日前の新聞で、「捨てワニ」の話がありました。これまた繁殖センターの前に、大きい袋が置いてあり、散歩途中の男性が触ったら柔らかかった。開けたらびっくり、中にワニ!一緒に紙が入っていて、「仕事を切られてお金がなく、餌代が払えなくなり飼えなくなった」と書いてあった。

その紙には、「名前は“ゲン”です。こいつを幸せにしてやってください」とも書いてあったのを読んで、私は大笑いしました。捨てた男(多分、男でしょ)、いったい何歳なんだろう?

①ちゃんと動物に関わる施設の前に置いておく=コインロッカーとかトイレに捨てられる赤ん坊もいますが、古典的な捨て子は孤児院(外国なら修道院か)の前に置き去り。この男、ゲンをそこら辺の川に捨てなくてよかったな。見つけた人は目を疑うよね。

②餌代が払えなくなり飼えない=捨て子の理由、王道は、「貧乏で育てられません」。 ワニの餌ってワニ用ペットフード?もしかしてイキモノじゃないでしょうね~。

③こいつを幸せにしてやって=とある小さなアパートの四畳半の部屋。「ゲンよう~、とうとう仕事なくなった。今までがんばってきたけど、オレ、もうだめだ。かわいがってくれるヒトのところで育ててもらえ。オレのことなんか、きっぱり忘れて幸せになってくれよ」と言いつつ、ゲンを抱いて泣く男。黙って男を見つめる無表情なワニの目には、ガラス窓の向こうの満月が映っていた…。

ところでワニの幸せって、ナンだろうなあ?

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エンレイソウ

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エンレイソウは百合(ゆり)科の多年草。学名は、Trillium tschonoskii  Trilliumは、花、葉などの各部が三枚からなることから、ラテン語の 「treis=3」が語源。 tschonoskii は、植物採集家、須川長之助氏の名前から。

この植物(どこにか、は不明…。葉か?根か?)には毒があり、食べ物を吐き出させる効果があるんだって。昔は食べ過ぎや食あたりに根を煎じて飲ませると、食べ物を吐いて命拾いすることから「延齢草」という名前がついたとか。

紫の花のエンレイソウもありますが、私はこの白いミヤマエンレイソウが好きです。


この美しい植物は、北海道大学の校章にも使われています。北大の封筒に、ほら。

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北海道神宮に行ってみました

昨日から突然気温が上昇し、あっという間にサクラサク。
で、北海道神宮に散歩に行ってみました。

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このお方は、島義勇判官。

明治2年、明治天皇の命を受け、開拓の途に着いたそうです。その前に、天皇が島判官に、「おおくにぬしの命・おおなむちの命・すくなひこの命」を開拓の守りとするように遣わした。具体的には、なにかアイコンがあるんじゃないのかしら?

始めは函館に仮の開拓使庁を置いた。でも、島判官が3つのお守り(?)を自ら背負い、遠路はるばる札幌に到着、円山の地に北海道開拓の神宮を開いた。札幌は、遠く平安の都を模して作られた…と書いてありました。ふむふむ、○条×丁目っていうのは京都なんですね。そうそう、円山公園も京都にありますね。

明治2年って、年末見ていた「篤姫」でお馴染み、江戸が終わった直後のまだドタバタしていたときじゃありませんか。その頃すでに、官僚は首都東京から遠く離れた土地の平定のことまで考えてるんですね。大変だったでしょうね。


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外国人観光客と思しき人々もたくさん。韓国語と英語が飛び交っていました。

それにしても、どうして島判官は、北海道の道都をこの札幌にしたんでしょうか。こんな雪が多いところに。函館のほうが本州に近いし、雪が少ないし、海に近いし便利だったんじゃないのかなあ。

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桜の思い出

 先日は時ならぬ雪が降ってきてどうなることかと思ったけど、やっと暖かくなり、公園や庭先の桜もちらほら。

 今を去ること30+α年前の春。私は医学部を受験し、ことごとく失敗…不本意ながら予備校に行くことになりました。

 それまでの私の高校生活というのは、ずっと成績よく学級委員を勤め、先生方からの覚えもよかった。担任の先生も友人たちも、両親も私も当然私が医学部に入るものだと思っていた!なのに…はぁ~ゼンメツ。←ま、井の中のナントカだったってことです。

 私はとぼとぼと東京は四谷の予備校に入学手続きをしに行きました。電車の中で、私は急いで帰る必要がなくなったことに気がつきました。それまでは、学校の帰りでも模擬試験の帰りでも、どこに行っても用事が終わるや否やとにかく早く帰って勉強しなくちゃ!…でも今日からは違う。もう参考書を開かなくてもいい。だって、大学、落ちちゃったんだから…。

 私は、乗っていた中央線の電車がちょうど止まった飯田橋駅で降りました。中央線の電車は神田川に併走して走るのですが、川の向こう側の土手にはずっと桜並木。ゆっくりとホームの端まで歩いて行った私はその時初めて桜が咲いているのに気がついたのです。2月から試験、試験と続き、外を歩いていても私には桜の樹も空の色も見えていなかった。

 私はベンチに座り、風が吹くたびに淡い桜色の花びらが、はらはら、はらはらと散っていくのを見ながら、大学を落ちてから初めて泣きました。私の心の中には、あんなに勉強した私がどうして不合格なのかという怒りと、期待に応えられなかった情けなさが固まっていました。そして他の人にそうは言えない悔しさも。説明できないそれら諸々のネガティブな感情があふれて来て、私は桜がただただ無心に散っていく光景を見ながら、ひとりでずうっと泣いていたのでした。

 いまだに桜の樹を見上げるたび、失意と自己否定のあの春を思い出します。私にとっては胸キュンのトラウマです。

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